ブラックでもクレジットカードの機能を持ちたいなら、デビットカードで

クレジットカードはカード一枚で買い物ができ、現金で支払う方法とは違ってポイントのキャッシュバックも発生する、便利な決済手段の1つです。代金が後払いになりますので、お給料まで買い物を待てない場合に利用することもできます。カード払いにしても一括や2分割での返済であれば手数料がかかることはありませんので、購入した代金以上の出費はありません。まとまった金額での支払いが少し厳しいなと感じたら、リボ払いにすることによって負担を軽減して買い物をすることもできます。リボ払いでは毎月金利による手数料がかかってしまいますが、大きな買い物をしても次の月の負担が少ないので、生活を大きく変化させることなく支払いをしていくこともできます。

こうしたことが可能となっているのは、クレジットの利用が「信用取引」だからです。信用取引をする場合、カード会社に信用をしてもらわなくてはなりません。カードを持つためには信用するための審査に通らなくてはなりませんので、誰でも簡単に持つことができるわけではないのです。また、クレジットカードによっては年会費が発生するものもありますので、あまり使わないのに持っていても無駄になってしまうこともあります。カードを持つ場合は自分の消費スタイルに合わせたものを選ぶ必要があります。

クレジットカードの審査ではどのようなことが行われるのでしょうか。まず申し込みをすると、その内容から信用情報にアクセスし、申込者の信用取引の履歴を参照します。この情報には申し込みをした情報や毎月の利用履歴、返済に関する情報、カードの解約に関する情報などが記録されています。この情報をもとに各社自社の基準で契約しても大丈夫だと判断をした人にのみ、カードの発行を行うのです。過去に信用取引で事故をおこした、いわゆるブラックと言われる人は契約できる可能性が限りなく低くなってしまいます。中には近ごろの利用実績に問題がなければ、ブラックでも契約ができるものもあります。しかしブラックでも契約できるカードは限度額が低く設定されてしまっていることもあり、まとまった金額の買い物に利用できないこともあります。過去に事故を起こしてしまった人はもう一生クレジットカードを持てないのでしょうか。

実は信用情報の記録は、システムの都合で最長でも10年で削除されることになっています。過去に事故を起こしてしまった人でも10年経てば、再び契約をすることは可能になります。しかしこれは信用情報上だけです。カード会社は社内にもデータを蓄積していますので、そこにブラックだった記録が残っていれば、契約ができなくなってしまうこともあります。特に大手のカード会社や、保証を請け負っている消費者金融に事故の情報が残ってしまうと、さまざまな信用取引の契約の審査で落ちてしまう可能性が高くなります。事故は起こさないようにしましょう。

では金融事故とは、実際にはどのようなことをそう呼ぶのでしょうか。カードを利用していると支払い忘れてしまうことがありますが、こうした延滞も事故になるのでしょうか。一般的に金融事故と呼ぶものは、2か月や3か月など長期の延滞や、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などの債務整理、不正利用や料金の未払いが続いたことによるカードの強制解約などです。短期間の延滞でも信用情報に遅れがあったことが記録されてしまいますが、そうした小さな延滞は事故として扱われることはありません。ただし住宅ローンのように審査が非常に厳しいローンの場合は、そうした小さな延滞も審査で判断材料とされることがあります。毎月の支払は確実にこなしていかなくてはなりません。債務整理の中でも手続きの内容によっては事故の深刻さが違います。

任意整理は弁護士や司法書士を交えて、当事者同士で債務の返済に関する取り決めを行います。任意整理では、利息をカットすることを条件に、元金をすべて返済していく話し合いが行われます。金融機関も元金さえ帰ってこれば損失を出すことがありませんので、他の債務整理を行われるよりはましと考えて、条件を飲んでくれるところが多くあります。ただ、条件を飲んでくれない会社もあります。あくまでも私的な話し合いなので、法的な強制力はありません。

特定調停は、任意整理を裁判所を交えて行う手続きです。当事者同士の話し合いではありませんので、法的な整理の1つとされます。

個人再生とは、債務を大幅にカットし、残った金額を返済する手続きです。手続き後も返済が続きますので、住居など生活する場所があり、安定した収入がある人が利用できる手続き手段です。

自己破産は財産をすべて処分して返済に充てる代わりに、それでも返済できなかった借金のすべてをゼロにするという手続きです。自宅や車も処分をしなくてはならないため、生活環境が大きく変化してしまう可能性があります。しかし借金がなくなることから、再びゼロからやり直すことができるリセットするための手続きです。ただし負債の理由がギャンブルなど賭博性があると、裁判所の弁済が下りず、借金をゼロにすることができない場合もあります。

普段注意してカードを利用していれば、このような事故を起こしてしまうことはあまりありません。気づかないうちに支払いを忘れてしまった場合でも、すぐにカード会社から電話連絡や手紙による案内が届きますので、その段階ですぐに支払いをすれば問題になることはないでしょう。カードは上手に利用すれば生活を便利にしてくれる素敵なアイテムです。

実は事故を起こしてしまってカードが持てない人でも、クレジットカードの便利な機能を利用できる方法があります。それが銀行が発行している「デビットカード」です。デビットカードは信用取引ではなく、カードを使うとすぐに銀行口座から引き落としがされます。分割やリボは利用することができませんが、審査がないためブラックでも持つことができますし、年齢制限も15歳以上となっているものが多く、未成年でも利用することができます。デビットカードにはVISAやJCBなどの国際ブランドが搭載されていますので、通常のカードと同じように支払いに利用することができます。ポイントがたまるものやキャッシュバックとして、利用金額の一部が戻ってくるようなものもあり、「後払いになる」という点以外はほとんどクレジットカードと同じ機能が備わっています。ただ、ETCのような機能を持たせることができないので、高速道路を安い料金で利用したい場合はETCパーソナルのような、チャージ式のカードを持つ必要があります。

デビットカードはどこの銀行でも取り扱っているわけではありませんので、契約する場合はデビットカードを発行している金融機関に口座を開く必要があります。メガバンクから地方銀行までさまざまな金融機関が発行していますので、身近にある便利な金融機関を選択すると良いでしょう。銀行によってはアプリを公開しており、お金の管理をスマートフォンでできるようにしている会社もあります。直接お金を払わないため、消費した感覚があまり持てない人もいます。アプリを上手に利用して使いすぎないように注意をすると良いでしょう。また、デビットカード自体にも利用しすぎを回避するために、利用上限を設定する機能があります。契約したばかりでは比較的低い金額になっていることもありますので、大きな買い物をする前にどのくらいの制限がかかっているか確認しておきましょう。一時的に利用制限をアップすることができるカードもあります。クレジットの場合は増額するときにも審査が必要になりますが、デビットカードでは審査もなく、リアルタイムに手続きが完了します。

デビットを上手に利用するには、どのような買い物をしたらよいのでしょうか。カードに搭載されている国際ブランドは、変更することができません。VISAマークのものはVISA加盟店、JCBマークのものはJCB加盟店で利用することができます。JCBは日本発の国際ブランドです。国内であればどちらのブランドにも対応しているお店が多くありますが、海外に行くとJCBには対応していないところもあります。国内だけで利用するのであれば問題ありませんが、海外旅行に頻繁に行く人はVISAを選んだほうが良いかもしれません。

基本的にはどちらのブランドでも料金が変わることはありません。しかし海外で日本円以外の通貨で決済した場合、為替レートが各社異なるケースがあります。銀行口座は円でも、カードでドルやユーロ払いをすることはできますが、それぞれそのときのレートを計算して口座から代金が支払われます。ただしこれは実は仮払いのような状態で、後日正しいその日のレートで支払いをすることになります。このとき為替レートによっては、払いすぎていたために代金が戻ってきたり、レート計算の結果代金が足りなかったことで再び少額の支払いが必要になることもあります。

残高がほぼゼロになるような買い物をしてしまうと、後日レート計算で代金を払わなくてはならなくなったとき、お金が足りなくなってしまうこともあります。デビットはその場ですぐに支払いが行われるため、それで支払いは完了だと思っている人もいますが、海外で利用するときはこうした後払いになる要素がでてきますので、気を付けなくてはなりません。信用取引ではありませんので、レート計算で支払いが必要になった代金が未払いでも信用情報に記録が残ることはありません。しかし長期間未払いが続いてしまうと、デビットでも停止や解約となってしまうことがあります。また、銀行側としては支払い能力に疑問を抱かせてしまいますので、社内の情報にとっては不都合となってしまうこともあります。

デビットを利用して返品した場合はどうなのでしょうか。クレジットでも同様に、まず返品手続きをするとショップから情報が届きます。そのデータをもとに返品が行われますが、返品で料金が戻ってくるタイミングはバラバラです。同じお店で複数の買い物をしてそれぞれ返品した場合でも、手続き開始が同じでも返金されるタイミングが異なることもあります。金額が大きいほど遅くなってしまう会社もあります。長い会社では1か月近くかかってしまうこともありますので、返金がすぐにされるわけではないということは覚えておきましょう。またデータが届いたかどうかは、デビットのユーザーページにログインすると、購入履歴から確認することができます。デビットの利用は紙の明細の発行はせず、ネットで確認できるようにしている会社がほとんどです。銀行から直接お金が引かれるわけですので、少しでも身に覚えのない支払いが発生していたらすぐに銀行に連絡を入れましょう。

デビットはクレジットと同様に、不正利用されてしまうリスクがあります。そのための限度額の設定ですので、普段あまり利用しないときは設定金額を低くしておいたほうがよいでしょう。まとまった金額が引かれてしまうと、何か支払いがあったときにお金が足りなくなってしまうこともありますので、カード払い以外で支払いが必要なお金は、他の銀行や別の口座に移しておいたほうが安全でもあります。

クレジットカードが持てない人でも利用できる便利なデビットは、利用方法次第では節約をするためのツールとしても利用できます。現金払いをしているとレシートの管理や、何にいくら払ったのかわからなくなってしまうこともあります。デビットを利用すれば明細がネットでリスト化されますので、いついくらお金を使ったのか管理することができます。家計簿をつける手間も減りますし、手間が減れば自由に使える時間も増えることでしょう。「カード」と聞くと便利な反面、使い方を失敗して大変なことになってしまうイメージを持っている人もいます。確かに信用情報が悪化してしまうと、将来住宅ローンやマイカーローンの契約ができなくなることもあります。しかしデビットでは申し込み情報はもちろん、利用履歴なども信用情報に記録されることはありません。信用情報のことを気にせずに、クレカに近い機能を備えているデビットは、ブラックでクレジットが契約できない人はもちろん、将来審査の厳しいローンに申し込む予定で利用することを控えている人にとっても便利なアイテムです。